○「白内障とは、どういう病気?」
俗に「しろそこひ」と呼ばれますが、眼球のレンズに相当する水晶体が濁る病気です。
○「症状は?」
「かすむ」、「明るい所でまぶしい」、あるいは「物が重なって見える」等が挙げられます。さらに進行すると眼底に鮮明な像を結像することができなくなり、視力が低下します。
また、特殊なタイプの白内障では近視の度がどんどん強くなることもあります。もともと近視が強い人が白内障になると、こういう形をとることがあります。
○「治療は?」
薬で進行を遅らせるように努力します。水晶体への栄養補給を目指し、点眼や内服が試みられていますが、白内障の進行を遅らせようとするもので、残念ながら、濁った水晶体を透明化できる薬はまだありません。
進行したら、手術により濁っている水晶体の内容を取り除き、合成樹脂でできた眼内レンズを挿入して視力の回復を得ます。
○「手術はどのようにするの?」
手術前には、採血や尿検査などの全身検査の他に、この眼内レンズの度数を決める検査が必要です。レンズは文字通り、眼内に挿入するので、原則的には、一度入れたら入れ直しはしません。眼鏡やコンタクトレンズのように交換は出来ません。具体的には角膜のカーブと眼球の長さを正確に計測し、計算し求めます。
○「手術は痛いの?」
点眼麻酔や、消毒の時に細い針で結膜の下、眼球の外へ麻酔薬を注入します。中には感じる方もありますが、殆どの方は訴えがありません。それより消毒時に希釈された消毒薬でよく擦り洗いするので、術後に表面が荒れ、ゴロゴロするという訴えの方が多いです。でもこの消毒はしなくてはならない大切なことです。大体夕方までには楽になる患者さんが多いです。
○「術後の注意点は?」
手術後は、眼球というボールの一部に小さな傷がある状態です。不潔な水が傷に付けば、しみ込み、眼球が化膿してしまいます。経験上、1週間すると傷は水を通さなくなるので、それまでは洗髪、洗顔は避けましょう。
この期間、どうしても頭が痒く、洗髪をしたい場合には、美容室で仰向けの状態で眼をタオルでガードし、「仰臥位での洗髪」を依頼してください。美容室の方は、よく御存知のことと思います。
また強く押されると、その圧力は手術創に集中し、眼内の組織や眼内レンズの脱出する危険性があり、保護具でのガードが勧められます。